洗足池商店街に新しい理事長が誕生しました。今月はその新理事長を皆さんに紹介させていただきます。
長いコロナ禍、洗足池商店街の組合では、店を閉めることなく、お互いに助け合って参りました。
洗足池駅から商店街に進むと、すぐ左側に青いテントに「鈴木土地建物(株)」という名前の不動産屋が目に入ります。ここが、新理事長が社長を務める会社です。
鈴木正規 57歳。
昭和41年南千束で産声をあげました。この年は丙午(ひのえうま)に中、出生数が大きく落ち込んだ年。内閣総理大臣は佐藤栄作。なんたって、6月にビートルズが初来日。武道館で伝説の日本公演を行った。テレビでは、大川橋蔵主役の「銭形平次」が放送開始し、
子供たちは、特撮テレビ「ウルトラQ」に夢中になった年でもありました。
正規さん、生まれてすぐに、上池台へ引っ越し、小池小学校から貝塚中学、専門学校・工学院へ進学。この街で生まれ、育ち、そしてこの街で結婚、育児。会社経営。
まさに「Mr.洗足池」が鈴木正規さんです。
専門学校卒業後は、ソフトウエアの会社に就職。当時を振り返ると、
「システムやソフトウエアの開発だから、銀行や金融機関に出向させられるわけです」
「僕は農林中央金庫に出向となり、営業中は、システムをさわれないから、閉店後の作業。
夜の出勤もあり、徹夜でシステムを組み替えることもありましたね」
鈴木土地建物(株)の創業者は、父親の鈴木久尚さん。地元の不動産屋で修行し、独立。
その後、現在の商店街の場所に社屋を建て、夫婦で不動産屋をスタート。

その頃、不動産業界にも少しづつオンラインの波が押し寄せてきました。物件をインターネットで検索したり、チラシや紙ベースのものから、デジタル情報へ切り替わっていく過渡期でした。
久尚さん夫妻は、専門知識のある息子の正規さんをヘッドハンティング。
「ちょうど、仕事も不規則になり、健康にも不安になっていたので、家業を継ぐことに
しました」
久尚さんは88歳まで事務所に立ち、文字通り、家族で不動産屋を切り盛りしてきました。鈴木正規さん35歳。
正規さんのパートナーは「あ久利さん」、専業主婦ではなく、バリキャリの働くウーマンです。
「彼女は、結婚前から私学で仕事を持ち、今も系列大学の就職科で仕事をしているから、共稼ぎですね。だから小遣いも各自で自己負担」
あ久利さんとの出会いは、なんと、小池小学校の同級生。放課後にグループで遊ぶようになったことがきっかけで交際がスタートしたそうです。
ちょっと私、計算してみました!
知り合ったのが11歳、18年交際して29歳で結婚。あらまあ、お二人は46年も付き合っていることになります!素晴らしいですね。
旧友であり、親友であり、昭和、平成、令和を共に過ごしたあ久利さんは、夫婦以上の人生の良きパートナーではないでしょうか。
「仕事の関係上、休みも合わないから、1人で楽しむことが多いかもしれないです」
鈴木さんの趣味は、車の運転なんだそうです。
現在の愛車はメルセデスベンツGLB。ベンツの中でも大きなサイドウインドウで乗り心地の良さを考えた洗練されたインテリア。アクティブライフを求める人に人気の躍動感溢れるデザインが特徴・・・・
なんだか、普段の穏やかな正規さんのイメージ、変わりました!
鈴木さん、威張ってません。地味目。偉そうにしません。ふわっとしてます。
「ひとりドライブで山梨の自然のある場所の温泉に行ったり、美味しいもの食べに行ったり、結講、楽しんでますよ」
ドライブ中には、サザンオールスターズかTUBEを聴きながら、運転を楽しんでいるそうです。それも、意外でした・・・・・。
いやいや、意外ではなく、鈴木さん、小池小学校では、「器楽合奏部」現在の吹奏楽部に所属。トランペット担当。
ピアノ、ドラム演奏など、音楽好き、立派なミュージシャンでした。
ちなみに、カラオケでは、元ジャニーズ系の歌を熱唱とか。
商店街について、改めて、新理事長にお話を伺いました。
「シャーター街が多い中、洗足池商店は頑張っていると思います。地域の小学校の社会科家学にも子供たちが訪問してくれてます」
「規模が大きくないので、みんな顔見知りで、風通しがいいはず。環境もどちらかというとのんびり。でも、それがいいところだと思います」
新理事長に抱負を伺うと「あらためて、特にないですね」ありゃ〜〜〜〜ないの??
「これまでやってきたお祭りや地域の行事も子供たちのために残して行きたいし、商店街の人たちの声をもっと聞いていきたい。楽しい商店街を皆さんと作りたい」
やはり、地元に生まれ育ったこの街で生まれ育ち、洗足池商店街を愛する鈴木さんらしいコメントです。
洗足池商店街には4社の不動産屋があります。「鈴木土地建物」は、完全地域未着型。
賃貸物件の扱いが80%を占めているそうです。
「商店街の30%はうちの物件で、なるべく飲食店を入れたいと家主さんに交渉してきました。」
「商店街って、食べる場所がないと、つまらないし、人が集まらない。でも家主さんは汚れる、臭いが出ることで嫌がる人も多いからね」
鈴木さんの名刺には会社が大切にしている理念が2つ描かれています。
「親切」「信頼」です。
組合員としての鈴木さんを長年見てきて、奇を衒うことなく、裏方として人の嫌がることを黙って引き受けてこられた印象がありました。商店街のフラッグの制作、取り付けなども鈴木さんが担当でしたね。
新理事長に就任され、鈴木さんの得意ジャンルのデジタル化や透明性を組合のシステムにに導入され、洗足池商店街に、きっと新しい風が吹いていくと思います。
8月24日洗足池商店街の夏フェス。鈴木さんの理事長デビュー戦です。どうぞ、楽しみに!!!

取材・文 タカコナカムラ